2015.3.10(tue)
地金づくり その2
前回この状態まで杢目金の地金を作りました その後です
ここからは 以前にも書きましたエアハンマーにて打ち延ばしていきます
叩いては 炉で熱して柔らかくして また叩くの繰り返しです
これもやみくもに叩いてはいけません
重ねた金属の層が均等に延びるように 加減をしながら叩きます
純銀のように柔らかい金属や 四分一のように硬い金属など いろいろなものが重なっているので
それを考慮して それぞれの地金によって叩き方を微妙に変えます
約1㎝弱の厚さまで延ばしたところ↑
大きさを比較するものを写してなかったので 延ばす前の写真と同じような大きさに見えますが
けっこう大きくなってます
これくらいになったら 表面を彫って模様を出していきます
少し彫っては叩き 少し彫っては叩きを繰り返します
約1~2mmくらいの厚みになるまでに 模様を完成させなければならないので
逆算して模様を彫り始め 彫り進めていくことが重要です
で 完成した地金がこちら↑ (よくわかりませんね。。)
3枚だったものが4枚に増えていますが これは3枚のうちの1枚を細長く伸ばして 途中で2つにカットしたためです
茶器を作るための地金なのですが 小さいものを2個作るより 大きいものを2個に分けた方が作業効率がいいのです
ただ 方向性をもって圧延することや 模様を彫り始めるために切り離すタイミングなど 経験が必要となります
また これらは回転体の器物をつくるための地金ですので
地金も丸でなくてはいけません
四角い地金を作って丸く切ってもいいのですが それだとロスが多くでます
そこで 延ばす過程で方向性をもたせて叩いていき 四角いものを徐々に徐々に丸くしていきます
慣れてくると ほとんど切る部分がないほど 真円に近く打ち延ばすことができます
今回の地金は なかなかいい出来でしょうか
一番大きい7cm角だった地金は 直径が約30cm 厚さ約1.6mmの丸い板になりました
ちなみに重量は 2キロ弱あったものが1キロほどになっています
これは打ち延ばす過程で 端の部分を削り落としたり
模様を作っていくときに 彫ったり削ったりするためです
つまり杢目金は作る過程で 最初の地金の半分近くが屑になってしまうのです
なんとも贅沢で手間のかかる技法です (もちろん屑は出来る限り集めてリサイクルします)
これにて杢目金の地金づくりは終了。
次からは叩いて形を作っていきます
ちなみに これらの地金は 水指 飾壺 茶入 茶器 になる予定
また心にゆとりがあれば 途中経過をアップしようかと思います